アマチュアの電子工作では、LEDのVFとIFがわからない場合がほとんどです。それでも次の設計方法さえ知っていればちゃんと光らせることができます。
- VFを1.5V~2.0Vの範囲と仮定する。
- IFを10mA~20mAの範囲に設定する。
さあこれを使って実際に設計してみましょう。
1. 実際に設計してみる
ここまでの重要な部分をもう一度繰り返します。
LEDはIFが多少変わっても実際に目で見た明るさはそれほど変わらない
VFを1.5V~2.0V、IFを10mA~20mAとして設定する。
では、図1の回路で実際に回路定数を計算してみましょう。
1.電源電圧を決める
前と同じように、乾電池4本で6Vを使います。 VCC = 6V
2.直列に接続されている抵抗Rの両端に加わる電圧を求める
VCCからLEDの順方向電圧VFを引いた値がVrになります Vr = VCC - VF
私の場合VFは1.75Vですから、Vrは6-1.75で4.25Vです。
3.抵抗の値を決める
オームの法則から抵抗の両端の電圧Vrを、流す電流 IFで割り算した値が抵抗値Rになります。
R = Vr / IF
私の場合 IFは10mA(0.01A)ですから、Rは4.25/0.01で425Ωです。
ただし425オームは抵抗の標準規格から外れていますので、一番近い430オームを使います。
(抵抗の標準値などは近いうちに別なページを作って説明します)
以上この3ステップで設計終了です。皆さんも自分の好きな値で計算してみてください。
3.実験してみる
さあ実験開始です。必ず実験する事が大切です。「こんな簡単な回路、光るに決まってるだろう(怒)」と思ったあなた、もう批評家の一歩を歩み始めています。
「サンおやじ」が実験で検証してほしいのは、自分の決めた値で自分の好みの明るさになっているか、自分のイメージと一致するか
これを検証してほしいのです。自分のイメージと違ったら何のために設計したかわかりません。もしイメージに合わない場合はVFとIFを変えて、納得ができるまでやり直します。こうして試行錯誤して決めた値があなたの設計定数です。プロの回路設計者でもこの定数は個人個人微妙に違います。自分のオリジナル設計定数を持っているなんてチョットいい気分でしょう。この自己満足が大切なんです。
おっと大事な事を忘れるところでした。
LEDには向きがあります。足の長いほうが一般的にプラス側に接続されます。しかし、アマチュア工作では、足を切って使う場合が多く、足を切ってから・・・・「しまった!」って事になります。
さらに、昔作った物の残骸から調達したり、壊れた家電品から取ってくることも珍しくはありません。
そんなときに写真1を参考にしてください。
写真のLEDを良く見ると、中の金属部分が右と左で大きさが違うことがわかると思います。一般に
左の小さいほうがプラス側(アノード)、右の大きいほうがマイナス側(カソード)です。
もし間違って逆に接続すると最悪は破壊しますが、ほとんどの場合大丈夫です。
4.実験に使う部品
写真1と2は、「サンおやじ」の手元にあった素性のわからないLEDを点灯させた写真です。
LEDによって若干明るさが違いますが、どのLEDもしっかり点灯しています。明るさの違いも並べて見るからわかるのですが、別々にしてしまうと全くわかりません。
さてここまで解説しましたから、皆さんも実験してみてください。部品は
LED OSNG5113A(緑) 又は OSYL5113A(黄) 又は OSDR5113A(赤)
等が良いと思いますが、いずれも100個単位の販売です。そのほかには
SLP-0H118A-51(話題の青色) 又は OSPK5111A(珍しいピンク)
も面白そうですが、少し多めに電流を流す必要があるかもしれません。またこれ以外の物でももちろんOKですが、自己点滅型はだめです。
以上秋月電子通商さんから通販で購入できます。
抵抗 1/6Wカーボン抵抗 <= この抵抗が自分で計算した値
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